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明治時代の小学校に見る工業製品の歴史 ・・・ 伊賀市旧小田小学校本館跡

ここは三重県伊賀市(旧伊賀上野)の旧小田小学校本館。明治14年(1881年)に建てられ「現存する小学校校舎としては三重県で最も古い(伊賀上野観光協会)」建物だそう。

旧小田小学校本館(明治14年1881年) 三重県伊賀市

中に入ると現在ではほぼ見かけない木枠の窓。おじさんは小学生の掃除で窓のサン拭きが大嫌い。古い木は水分をよく吸うので拭いたような気にならないし、不用意にシャコシャコ拭くと木のササクレが指に刺ったりする。

旧小田小学校本館(明治14年1881年) 三重県伊賀市

まあそんなことはいいとして、窓ガラスに注目。この時代の窓ガラスは外の景色がゆらゆら見え波打っている。今の板ガラスのように、溶けたガラスが冷えたらキレイな平面になっているというものではなかった。引き伸ばして板状になったガラスを後で職人さんが磨いて仕上げたらしい。

旧小田小学校本館(明治14年1881年) 三重県伊賀市

各教室にオルガンは定番。音楽(当時は歌唱)って教育の中で最初から重要視されていたんだなぁ。さてオルガンには「HAMAMATSU」のロゴ。楽器博物館YAMAHAのミュージアムがある浜松市のHAMAMATSUだと思われる。このロゴをYAMAHAが使っていたのかどうかは不明。

旧小田小学校本館(明治14年1881年) 三重県伊賀市

今の大人、いや今どきのやたら発育の良い小学生が脚を差し込んだら、起立のたびにちゃぶ台返ししそうな木製の椅子と机。窓も机もオルガンもみな木。かつては木材が加工性や供給量の豊富さでメイン材料だったけど、世界を席巻した樹脂の発明はすごい。

旧小田小学校本館(明治14年1881年) 三重県伊賀市

樹脂のプレートや食器ではない。おそらくアルマイト(アルミ製)。アルマイトはなんとその時代、理化学研究所が商標をとった技術だそうで、アルミに陽極酸化皮膜を形成したもの。おおっ!日章アステックお得意の電解研磨と同じじゃないか!

アルマイトは軽くて頑丈。おじさんが入社した頃は社内喫煙が当たり前だったけど、会社の灰皿はパコパコのアルマイト。タバコも吸わない新人の自分が、毎朝洗って各机に配るという理不尽に耐えて現在に至る。

: 2020/11/11

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