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eSIM(イーシム)追加契約して~楽天モバイルは大手キャリアに対抗できるのか?

4月以降、大手携帯電話会社を中心に格安プランが発表され、今後いろいろな会社が新プランの打ち出しがありそうなので、乗換えにもチャレンジされてはいかがでしょうか?とは言いながら・・・
eSIM 機種変とキャリア変更の自己責任
「乗換え」って(自分は面白がってやるけど)実際は結構面倒臭く、他人に相談されても用語注釈だらけでお互い疲弊。さらに苦労して乗換えても相手がハッピーになる保証がない・・・なので人の世話焼きはしないほうが得策です。
eSIM 機種変とキャリア変更の自己責任


※注 以下、注釈が多いですが、読んでも時間の無駄だし真面目に注釈していないしロクなことが書かれていてない。ここいらで他所のサイトでもっとためになることを知ったほうがアナタの人生にとって有意義な時間になるのは間違いないです。。。。

そこで乗換えではなく、スマホにもう一つ新しい電波を追加したらどうなるのか? ということでeSIM(イーシム)にチャンレンジしてみました。

まずSIM※1というのは電話会社とつながるキモの電子部品。元々スマホにはSIMカードが1枚ずつ入っていて、つながる電話会社が決まるようになっています。下の写真↓がSIMカードと呼ばれるものでサイズは小指の爪ほどもありません。

SIMカード nanoSIM
【SIMカード:クレジットカードとの比較。これでつながる電話会社が決まる】

ここで、最近チラホラ耳にする「eSIM対応機※2」。eSIM(イーシム)はさっきのSIMとは別に、「あらかじめ端末に組込まれた書換え可能なSIM」のことです。

      • ●同じスマホで2つの電話番号を利用したい。
      • ●データ通信だけ別会社にしたい。
      • ●海外旅行時などに一時利用契約で使いたい。

等の利用にeSIMが便利。もちろんeSIMだけでも通常の利用は可能※3です。


※1 …SIMカード: Subscriber Identity Module Card。電話会社別のネットワークの識別番号や電話番号などが記録されている。
日本のケータイ会社は「端末セット・乗換えさせない」を永らく通してきたので、諸外国と違い、交換や追加ができるSIMの存在や使い方を積極的に知らせていなかったと思われます。
※2… eSIM対応機種 iPhone11系以降、Google Pixel4aや5以降、AQUOS sense4以降、OPPO A73など。対応機種であっても購入先によってはSIMロック(使えなく)されている場合もある。SIMロックはヘビメタとかパンクなどロックミュージックのジャンルではなく、SIM交換で他社に簡単に乗換えさせないよう嫌がらせするしくみ(ロック解除は可能)。従来機種ではeSIMではなくもう一枚SIMカードを挿せるものが結構ある。
※3…eSIMへの対応:電話会社毎にeSIMサービス範囲は要確認。eSIMは可か/データのみ可か/データと電話OKか・・など提供範囲に注意。eSIMなんて普及したら他社乗換えが簡単になりそう。「eSIMなんて迷惑な話だ」と敵視している電話会社もあるようで。

eSIM 機種変とキャリア変更の自己責任

早速ネットでIIJmio(IIJみお。以下IIJ)※4格安eSIMサービス※5に契約してみました。約20分で手続きは完了※6し、↓写真のように電波を2つ受ける様になりました。おー、IIJのeSIMはDocomo電波を使う※7のでスキなしビンビンです! Rakuten…弱っ!

実はRakutenモバイルは電波が脆弱※8で、私の活動範囲ではRantenエリアでも↓下写真のように弱々しかったり、山間部の移動中などよく途切れたり(涙)

SIMカード nanoSIM

【SIM+eSIM:2つの電話会社につながっている状態。IIJとRakuten モバイル】


※4…IIJmio:インターネットイニシアチブ(IIJ)グループの個人向け通信会社。
ところで親会社のIIJ、1992年に日本初のインターネット接続事業者として誕生した会社。自分など古い人間は「IIJ」と聞くと今でもなんかキラキラしたものを感じてしまいます。
※5…ギガプラン:IIJmioが提供するプラン。電話+データ2GBで780(税別)なので、電話もしないくせに新番が欲しくなってしまいます。で、自分は2GB 400円のeSIMギガプランをiPad miniに新規、4GB 600円のをRakuten用のPhone12に追加でそれぞれ契約しました。(価格は税別、未使用データは翌月繰越)
「ギガ」ってご存知「単位」ですね。インターネットが一般家庭に普及し始めた頃は「キロ」、「ADSL」や「光」なんかでつなぎ始めた「ブロードバンド時代」は「メガ」。いずれ子供や孫が「なあ、テラプランにアップグレードしようやぁ」と言っきたとき「ハァーッ?テンプラなんぞ食いとーないわ!」とかボケてバカされないようにしておきましょう。
※6…QRコードによる設定:電話会社側の受付・登録処理が終わるとQRコードが送付され、これを読むとアクティベーションが完了し電波を受け始める・・・と書くとメチャ簡単なよう。実際うまく行けば一瞬です。ところが去年買ったiPad miniはそれだけじゃ動かず設定画面から「APN設定」を手動でやって動きました。APN?何ソレ?
ちなみに、送られてきたQRコードを設定する端末で受けても途方に暮れるだけです。まあ、自分で表示しているQRは自分で読めないですよね。ちなみにQRとはQick Responseの略で自動車部品のデンソーさんが開発したコードだとか。バーコードは従来縦縞が主流だったけど込められる文字量が少なく、たくさんの情報を読みには何本もバーコードをスキャンする必要があったとか(Wikipedia)。このQRコード、一般的なサイズのもので数字だけなら7千字も入る!夏休みの読書感想文は原稿用紙5枚に頑張ってスカスカに書きましたが、そんな感想文もQRひとつに収まるらしい。デンソーの技術者は天才ですね。
※7…Docomoインフラの借受け:IIJmioは自前のインフラ設備を持たない仮想通信業者(MVNO)で、eSIMについてはDocomoのネットワークを借受けている。それで本家Docomoと全く変わらないスピードや品質なら皆MVNOへ行ってしまいますがそうはならない。インフラのごく一部を貸して、そこにいっぱいお客さんを入れないと儲からないので、MVNOは特に昼休みや繁華街でのレスポンスなどに不利と言われています。
※8…電波の脆弱性:ケータイ会社(移動体通信)大手が基地局の増設や整備に費やした(費やしている)費用や人員は想像もできない学ではないでしょうか。路地でも山でもビル内でも普段人のいない所で電波ビンビン!というのが今の状況。「キャンプ行ってたんでケータイ取れませんでした」というのは昭和の言い訳ですが、後発のRakutenならこの言い訳も現在はアリです。楽天社員は公私とも全員Rakutenモバイルを使っているのでしょうか?

さて、iPhoneは通常画面では電波が2段表示パターンになります。上がIIJで下がRakuten。

自宅裏300mの場所ではこの様にグレーのすのこ状態※9で繋がりません。IIJはDocomoネットを借受けているので電波がたいへん安定してます。毎日通勤時に聴くネットラジオが途切れないのが嬉しい。これでスマホゼロ円生活※10ではなくなってしまいました。「ツギハギするくらいなら最初からahamoにしろ」は至極ごもっともなご意見です。

eSIM 機種変とキャリア変更の自己責任

【SIM+eSIMの2段表示:IIJが電波5本、楽天の電波が取れていない状態

やはり料金1年間ゼロ円提供側の止む終えない事情※11というのが契約してみるとよ~く実感できます。利用者側はそれなりの工夫をしないと我慢の範囲が大きくなります。

ゼロ円キャンペーンに移ろう人の心

スマホ代の主戦場が月2~3千円台になっていくとすれば、提供者・利用者お互いに工夫する余地も限られ「そこまで苦労するなら・・・」安心と安定の大手キャリア3社※11に走る人は増えそうです。さあどうするRakutenモバイル※12


※9…すのこ状態:電波の表示方法が、iPhoneは通常画面とロック画面などでは別。通常使用画面では2段表示となる。ひとつめの会社が下段ですのこ状態なので私が勝手にすのこと呼んでいる。自分の居住地ではグレーすのこが多く悩みのタネ。
ところでeSIMせずRakten一本だったとき、「圏外」という表示がでたかと言うと記憶にない。圏外とはならないけど電波の縦棒がやはりグレーで受信しようとしているが通信できない。「圏外」がでないということは「圏内」なんだけど通信ができない・・・なんだかなぁ・・・田舎地域、残念ながらこれが今のRaktenには多い。
※10…Rakuten UN-LIMIT VI:21年4月末までの新規契約者は1年間利用料ゼロ円。課金開始後も、20GB以上無制限で料金2,980円(税別)を謳うが、現状のエリア整備状況ではむしろ20GBを使い切るより「データを使わない人」に恩恵が大きい。1GBまで0円、3GBまで980円、20GBまで1,980円。
今回eSIMを月600円で追加したので、課金開始時には、どうすればトータルでスマホ代が安くなるのか。30GBを楽に超える人はその時点のRakutenエリアで十分通信できるならRakutenでそのままで良い。自分のように月6GBもあれば余るような人は、IIJでフル利用しRakutenで1GB未満ならゼロ円なので月600円(600+0円税別)、1~3GBでは980円なので税別1,580円(600+980円税別
)でハッピー。ということは・・・Rakutenエリアが十分整備されなければ、単価の安い客ばかりが残ってしまうことにもなりかねないですよね。
Rakuten UN-LIMIT VIのウリは、ひとつはあまり使わない人に受けるステップ料金(あと、別会社で主契約していて2台持ちするのも便利だなぁ)<ライトユーザー、多数?収益性低>。もうひとつは2,980円上限で使い放題!<ヘビーユーザー、少数・収益性高>。僕ら前者はRaktenの不良資産と呼ばれる日が来るかもしれない。なるべくご負担をお掛けしないようにしますから、とにかくRaktenさんには頑張ってほしいです。
※11…先行3社とのインフラ格差:Rakutenモバイルは、電波帯域が割当てられ自前で電波塔などのインフラを持つDocomo、au、ソフトバンクと並ぶ通信事業者。しかし、何十年もインフラ整備で先行する大手3社の3千円程度の料金プランに同じ3千円じゃぁ・・・で苦境に立たされる。
Raktenはエリアが脆弱なので「整備が完了するまで」はauをパートナー会社として結構なカネ払ってエリアを借受けています。auもバカじゃないしRakutenにも出せる限界があるので,auエリアでは月5GBまでという制限がある。私の利用エリアでは80%がau回線となる・・・ってことはさぁ、何ギガでもフリーと言っておきながら、この5GB制限で頭打ちになるってこと。しかし「整備が完了するまで」っていつよ? 現状この縛りのため、我々のような月数Gしか使わない人にだけ嬉しいRakutenモバイルなのです。
※12…起死回生の一手?:Rakutenモバイルは低軌道上の通信衛星を基地局とした運用を20年4Qに始めるとアナウンスしています。ZOZOの社長も宇宙へ行く時代なんでまんざら夢物語でもないのでしょう(ソフトバンクはGoogleなどと成層圏を飛行する無人機によるサービスを検討しているよう)。肝心なのは専用の衛星ケータイではなく地上タイプの端末で・・・ということ。 まさに飛び道具という空中戦というか・・・。競争は技術の進歩を引っ張りますね。

: 2021/04/11

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