「西の京」とは、平城宮の正面玄関朱雀門から南へのびる大きな道「朱雀大路」の西側(右京)を言います。
近鉄西ノ京駅で降りればすぐ薬師寺、北へ少し歩けば唐招提寺(いずれも世界遺産)、更に北へ垂仁天皇陵(尼ケ辻)から西大寺、もっと足を伸ばして秋篠寺と歩く散歩コース(西の京・佐紀路)は、落ち着いた奈良の雰囲気を堪能できます。
ここんとこコロナ感染が心配でお気に入りの奈良散歩もしてませんでした。年食ってると長い巣ごもりは運動不足どころか機能障害に繋がります。ま、そこで空いてそうな唐招提寺辺り散策してみることにしました。
唐招提寺は鑑真和上(687-763)のお寺。中国が唐の時代、請われて授戒伝律ため日本に渡航を試みますが密告や遭難で5度も渡航に失敗。弟子を失い自らも視力を失いながらついに来日、聖武天皇や孝謙天皇の時代と重なります。
今の教科書にも載っているかと調べましたが、聖武天皇、遣唐使や阿倍仲麻呂などと一緒に、鑑真和上、唐招提寺が並んでいて安心しました。
歴史書が時の勝者立場で書かれていたり、情緒的?表現で客観性がなかったり、近世の歴史文学などに引っ張られたり、学術的発見!によって消えたり現れたり・・・。何十年生きてると「過去は変わる」のが当たり前って感覚になりますね。
寺社や宗教に造詣がない私は、ただただ人のいなさげな場所ばかりウロウロします。もっとも、コロナ禍で緊急事態の中、今は外国語飛び交う観光客の群れは見当たらずたいへん落ち着いた境内になってます。
この境内に1時間半もウロウロしてました。ところで、最近はお手軽で画質も良いので、スマホで写真を撮ることが多いのですね。だけどついつい、ついでのSNSなどそっちの世界にのめり込みがちになります。今回はわざわざコンパクトカメラを持参しました。
そういえば最近のニュースで「いつもの通勤路で歩きスマホの若い女性が踏切渡り切る手前で立ち止まり、スマホに目を落としたままの状態で列車にはねられた」って事故があったようですね。悲惨です。いつもの通勤路など慣れた空気の中、警戒感も注意力もみなスマホに持っていかれるというのは皆結構体験するのではないでしょうか?
スマホに警戒感も時間も吸い取られるのもなあ。残りの人生、ライブで自分が見聞きしたものをもっと大切にしたいなぁ・・・ってことで最近、「スマホはバッグ、手にはコンパクトカメラ、目線はリアル世界」ってのをお散歩の心得としています。
ところで・・・唐招提寺の拝観料が1,000円!ってこんなに高かったっけ・・・。調べてみると、2020年4月から600円が1,000円になったそうです・・・。こういうご時世だから仕方ないんですかねぇ(涙)