田舎国道の夜、しばらくハイビームで走った後、ファミレス「ガスト」の鮮やかな暖色系の灯りが目に入る。信号待ちでボンヤリ看板を眺めていた。
ふと店名を見ると「生駒鹿の台東店」とある。「台東」は東京人なら「たいとう」と濁らずに読むだろう。しかし何? 「生駒鹿」の「台東店」とは・・・。
神戸牛、米沢牛のようなブランドとして、ここ奈良も「生駒鹿」を特産品として売り出しているのだろうか。しかも書くなら普通「生駒鹿」の「ガスト」「台東店」ではないか?
ちなみに生駒という地名は大和時代「生馬」とも書いたらしい。すると「生馬鹿」の「台東店」となる。ナマの馬鹿を食わしてくれる店になる。新鮮な馬鹿は旨いのか?
おっと、信号が青に変わった。つまらんことを考えていないで先へ進もう。
数日間この疑問がアタマから去ることは無くモヤモヤとして仕事も手につかない。しかし、ネットで調べて見るとすぐに答えが見つかった。正しくは、「生駒市の」「鹿ノ台」の「東」にある「店」という意味なのだ!(えっ?分かってた?)
生駒市の住所表記では「鹿の台」ではなく「鹿ノ台」が正しい。「生駒鹿ノ台東店」と看板を書けば誤解も少なかったはず。生駒市がそう決めてるんだからチャント守れよ!と語気を強めたいところ・・・だが・・・生駒市の「喜里が丘」「新旭ケ丘」のように、平気で「が」「ケ」を混在させる無節操さには声も出ない。そこへ行くと豊中市なんぞは「西泉丘」「向丘」等を発音しながらも表記は「ガを抑え」とても爽やか?だ。
平塚市は「丘」じゃなく「藤が岡」の「岡」を使っている。海・水面に対して小高くなった場所を「岡・陸(おか)」といい、「相模湾に舟を浮かべ平塚を眺めているんだなー」と感じさせる。「岡山」などは瀬戸内から眺めて平地なんぞ一つも見えないんだろう、きっと。
ことわざでは「陸(おか)に上がったカッパ」が思い浮かぶ。
「いやぁ、英会話となると途端に陸に上がったカッパさぁ」と使うと、「他の実力は抜群だけど英会話だけはアカンのや」の意。鼻につくクソ野郎な感じに聞こえる。
「河童の川流れ」は「上手な人が失敗すること」。いずれにしても河童は水中では無敵であるという結論だ! ところで、生駒鹿はどこに去った?
*文中のイラストは「かわいいイラスト素材集いらすとや」の素材を使用。