日に日に野山が春してくるこの時期、道端やちょっとした空き地にパラパラと咲く青い小さい花を見つける機会が増えてきます。「花を見つける」と書きましたが、「見ずに踏みつけている」方も多いかもしれません。
それはオオイヌ(ノ)フグリといいこの時期を代表する雑草です。主役じゃないけど春感を演出するこの草、明治時代に渡来した外来種で、日本原産はやや小ぶりなピンク色の花をつけるイヌフグリだそですが今はあまり見かけません。
「フグリ」という言葉ですが詳しくは説明しにくいです。女芸人さんなどが「お稲荷さん」とバチ当たりな表現をするキ〇タ〇のことです。我が家にはオスのトイプーがいますが、暇なとき中指と人差し指でポンポンポンポンと交互(二つあるから)にイヌフグリをはじいてやると「デヘェー」とした顔してされるがままにしてます。
そんなことよりも、なぜこの可憐な花がワンコの〇ン〇マなのかということが重要です。その答えは秋になれば明確になる。つまりイヌフグリの実は”そんな”カタチをしているので昔の人は”そんな”名前を付けたらしいのです。
イヌフグリを踏みつけ(キャイン!)てる人も、「あー春なんだねー」と愛でている人も、イヌフグリが秋に立派なフグリになっていることなどほとんど知らないのでは? 自然とともに暮らし自然の中で糧を得てきた昔の人は、春先に咲く青やピンクの花よりも秋に付くフグリな実の方が大事だったのでしょうか。日本の暮らしは四季の中で営まれていたのだと、ワンコのフグリをポンポンしながら思う今日この頃であります。