冬の今は影を潜めているのに、夏ともなれば土手にフェンスに山に野につるを伸ばし葉っぱを広げ覆い尽くしてしまう嫌われ者、葛(クズ)は皆さん良くご存じのつる植物です。日本原産のこの植物は、ガーデニング用あるいは土壌侵食対策用として一時米国でもてはやされたそうです。でも、恐るべき繁殖力のせいで現在では「侵略的外来種」という極悪エイリアン的な指定を頂戴しいているそうです。
日本では冬の低温っでつるや葉は枯れてスタンバイモードに入りますけど、温暖な気候ならノンストップで大地を覆い尽くしてしまうのです。ああ怖い。
ところでスタンバイモードと言いましたが、冬に枯死した様に見えるクズもしっかり地下で生きてます。夏季あの葉っぱネットワークを張り巡らせて生産した良質のでんぷんをちゃんと塊根に蓄えてやる気満々で次の出番を待っているのです。ああ怖い。
関西ではプルンプルンの葛餅としていただくあの透明なゼリーはクズの塊根をこして作ります。関西では吉野葛などが有名です。ちなみに関東のくず餅(久寿餅)は小麦粉の発酵で作るそうで別物です。
クズは元々薬として使われていたそうで発汗・鎮痛・整腸などの効能があります。現在では風邪薬の葛根湯(かっこんとう)がそのものずばりの名前で今も販売されていますね。特定の会社(ツムラやクラシエ)などの登録商標ではなく一般名称の様です。
クズといえば抜群の繁殖力で嫌われる邪魔ものですがこんな役立つところもあります。だけど、今大流行中の新型肺炎やインフルエンザなどは災いばかりで何の良いところなんて何も無いですね。ここんとこ天災続きの日本は、2020年も新型肺炎(コロナウイルス COVID-19)の災いからスタートしましたが、ヤツらのパワーに負けない人間の知恵パワーで、この苦難を乗り切りましょう。